南が丘動物通信

犬のC反応性蛋白 10年06月08日

C反応性蛋白(CRP)は、当院でも、犬の炎症性疾患を疑ったときに検査する項目の1つであります。
 生体に感染や組織傷害などのストレスが加わった際にこれに反応して短時間のの間に血中濃度が変動する一群の蛋白を急性期蛋白とよび、C反応性蛋白(CRP)は代表的な急性期蛋白です。主な産生臓器は、肝臓ですが、一部膵臓や、局所のリンパ球からも産生されるという報告があります。炎症性の刺激でよって、おもにマクロファージからサイトカインが産生されて肝細胞に作用します。もっとも重要なサイトカインはIL-6であり、肝細胞上のIL-6レセプターに結合し、CRPの産生が促されます。また、炎症性サイトカインは、内因性発熱物質でもありますので、発熱も引き起こされます。
CRPは、発見から70年以上たっていますが、生理的役割は未だ全て解明されていません。CRPは、細菌や真菌の細胞膜表面のリン脂質と結合します。また細胞が死亡(アポトーシス)すると細胞膜内のリン脂質が細胞外側に出てCRPと結合します。また、結合したCRPに補体や貪食細胞が結合し、貪食、殺菌効果がさらに促進されます。ヒトにおける研究では、CRPは刺激を受けてから、1日から2日で、血中濃度が数百倍から数千倍に上昇し、その半減期は、5〜7時間であります。CRPは、犬やヒトだけではなく、節足動物や軟骨魚まで存在が確認されていますが、炎症時におけるCRPの血中濃度の上昇の程度は種にとって大きく異なります。犬の炎症マーカーとして、CRPは有用でありますが、猫は、CRPは、健常時でも比較的高値を示し、炎症刺激に対する反応が鋭敏ではないため、炎症マーカーとしては不向きであるとされています。
現在犬の様々な疾病でのCRPの変化について報告がされておりまして、その有用性について、今後さらなる研究が期待されています。