南が丘動物通信

ウサギの去勢手術 10年03月09日

ウサギは縄張り意識が強く、尿スプレーによって縄張りを主張したり、オーナーに対して攻撃的になることがあります。特に雄ウサギを同居させると、ほとんどの場合激しい喧嘩が見られ、大ケガの原因になります。細菌感染に弱いウサギは、これが致命傷につながることも少なくありません。
また、ウサギは繁殖力が旺盛な生き物です。避妊していない雌、去勢していない雄を一緒に飼育すると無計画に子どもが増えてしまいます。
去勢手術はこういった問題行動を軽減したり、不要な出産を防ぐことを目的に行われます。また、発生頻度はそれほど高いわけではありませんが、精巣腫瘍の予防にもなります。問題行動のすべてが性ホルモンの影響によるものではないため、去勢手術によりすべてが解決できるとは言えませんが、行動は穏やかになり、尿スプレーは90%以上の確率で消失します。
去勢手術後もしばらくは副生殖腺に精子が残存しているので、術後5週間の間は雌と同居させると妊娠の可能性があり、注意が必要です。また、去勢手術をするとエネルギー要求量が減るために肥満になりやすいので、術後の食事管理には注意が必要です。
このように術後にいくつか注意する点はありますが、得られるメリットは非常に大きいため、去勢手術をお勧め致します。