南が丘動物通信

前立腺肥大 10年02月23日

前立腺は、雄犬の生殖器の1つで、直腸のすぐ下方に位置し、尿道を取り囲むように存在しています。加齢と共に、精巣からのホルモンのアンバランスによって、肥大することが多いです。これとは別に、前立腺腫瘍で前立腺が大きくなることもありますが、比較的多くはありません。
人では、前立腺は尿道の方に向かって大きくなることが多く、排尿困難を起こすことが多いですが、犬の場合、外側に大きくなります。そのため、直腸を圧迫して排便困難が出てくることがありますが、肥大していても症状が出ないこともあります。血尿が認められることで分かることもあります。
排便障害が続いたり、性ホルモンの分泌異常があると、会陰部の組織が弱くなり、会陰ヘルニアを起こすことがあります。
治療としてはホルモン剤の投与などもありますが、去勢手術が有効です。排尿困難が重篤な場合などには前立腺を摘出しなければならないこともあります。早い時期に去勢を行った犬では通常肥大は起こらないと言われているので、若いうちの去勢が薦められます。