南が丘動物通信

膀胱結石 10年01月12日

結石とは、食餌や飲水から摂取されたカルシウム、マグネシウム、リン、尿酸、ケイ酸などのミネラル成分が尿中のたんぱく質などと結合して結晶化し、固形物となったものです。
結石があると、その部分が刺激を受け障害を受けます。
結石の種類は多様ですが、犬では結石の60%以上がリン酸アンモニウムマグネシウムです。そのほか、シュウ酸カルシウム、シスチン、尿酸アンモニウムなどがあります。
結石による刺激によって粘膜に炎症がおこり、尿の出方が悪い、尿量が少ない、排尿回数の増加、血尿などでの症状を示します。持続的な刺激によって細菌感染を引き起こし、腎盂腎炎を引き起こすこともあります。また、結石により排尿が阻害されると閉塞が起こります。特に雄では尿道が細くなる部分で閉塞が起こりやすいです。閉塞が起こると、尿毒症になったり、膀胱破裂することもあり、命に関わってきます。
リン酸アンモニウムマグネシウム結石は、食餌療法で結石を溶解させることができますが、そのほかの結石の場合は手術で除去しなければなりません。結石の再発を防ぐために、結石の種類によってそれぞれの療法食を与えていくことになります。