南が丘動物通信

胃拡張-捻転症候群 09年09月14日

 犬の胃捻転は突然発症し、胃がねじれることによりショック状態に陥り、放置すると数時間で死亡してしまう恐ろしい病気です。胃捻転は、脾臓と胃へ分布する血管とともに胃全体がねじれるため、胃の入り口である噴門と出口である幽門が閉塞し、時間とともに胃内はガスと胃液が充満して異常に膨満します。そのため、嘔吐の姿勢をとっても吐物が出ない状態が続き、努力性呼吸、チアノーゼを起こし、脈圧が低下するなどショック症状を起こします。そのまま治療せずに放置すると数時間で死亡します。
 この病気はグレート・デン、ボクサー、ジャーマン・シェパード・ドッグ、セント・バーナード、ドーベルマンなどの大型犬に多く、遺伝的要因も考えられています。また、一日一回食の犬や、食事を勢いよく食べる犬に多い傾向があります。
 出来るだけ早い治療が必要な疾患のため、以上の様な症状に気付かれた際には早急にご来院ください。