南が丘動物通信

1月25・26日 第10回日本獣医がん学会 14年01月27日

大阪で開催された上記の学会に参加しました。今回のシンポジウムでは肝臓腫瘍をテーマに診断・治療において様々な先生方の講義を拝聴しました。
一般的には腫瘍の良性/悪性は、外科的に生検あるいは摘出した組織で病理組織検査を行なって判定しますが、肝臓腫瘍では、近年造影CT検査やソナゾイド造影超音波検査を行なうことでその所見が腫瘍の良性/悪性の判定に役立つ可能性が示唆されています。東京大学動物医療センターの福島健次郎先生や北海道大学の中村健介先生は、実際の症例の検査画像も交えてこれらの所見の特徴をお話し頂きました。
H.B.

1月24日 志学会セミナー 14年01月25日

血液塗抹の評価法
小笠原 聖悟 先生

今回のセミナーでは血液塗抹の評価法について勉強しました。
血液塗抹では赤血球の形態異常、その血液に含まれる白血球の種類の比率、腫瘍細胞の有無などの検査が出来ます。
この検査では各白血球の形態学的特徴を理解した上で検査することが非常に重要で、今回のセミナーではその特徴を再認識する大変良い機会となりました。

D.T

1月11日、12日 第99回日本獣医循環器学会、第87回獣医麻酔外科学会 合同学会 14年01月12日

今年は宮城で開催された上記大会に参加してきました。今大会の循環器学会のシンポジウムは、僧帽弁閉鎖不全症から続発する肺高血圧症の病態、診断、治療でした。
イヌの肺高血圧症の原因には、①肺血流の増加(先天性短絡疾患など)②肺血管抵抗の増加(フィラリア症、特発性肺高血圧症など)、③肺静脈圧の増加(左心不全など)の3つに分類することが提唱されていますが、フィラリア症の発生頻度の減少から③の場合で診断されることが多くなってきています。
僧帽弁閉鎖不全症に続発する肺高血圧症の治療法は、シルデナフィルという薬の報告が最も多くありますがこの薬は日本では購入できず、それ以外の薬では十分な情報が集まっているとは言い難い状況です。今後の早急な研究報告が期待されます。
T.H.