南が丘動物通信

歯周病には苺が救世主?! 19年05月25日

タイトルだけでは語弊を招く可能性がありますが、決してスーパーで売られている苺を食べさせたらいいという話ではありません。

ここで言う苺というのは苺の中に特殊な因子(イヌインターフェロンα)を組み込んだ苺のことであり、この苺を摂取することで軽度な歯肉炎における歯肉炎指数の低下が認められたという報告がありました。昨今は予防歯科の時代に突入しており、特に口腔内細菌と心臓弁膜症における細菌とほぼ一緒と言われているため、少しでも心疾患リスク軽減・その他全身性疾患のため口腔内ケアが重要視されています。今後の治療報告についても期待したいと思います。

H.F

愛犬の体重管理をしましょう 19年05月20日

最近はペットショップにいくと様々な「おやつ」が売られていますね。材料や味や匂いが様々でワンちゃんやネコさんが喜んで食べれくれることを考えると選ぶのも楽しくなりますよね?でも、ついついあげ過ぎてしまって健康診断などで病院にいくと「少し太ってしまいましたね、おやつやご飯の量を減らしましょう」なんて言われてしまったり。では、どうやって管理してあげれば良いのでしょうか。

まず、こんな想定をしてみましょう。

「体重5kgのチワワさんに晩御飯の唐揚げをこっそり1つだけあげちゃった。」

これを体重50kgのヒトに換算してみましょう。体重10倍で唐揚げも10倍...唐揚げ10個のつまみ食いですね。これを毎日続けていたらどうなるかは明白ですね?まずは、あげる前に「このおやつヒトの体重だったらどれくらいになるんだろう」と考えてみましょう。

一般的にワンちゃんでは適正体重の15%以上、ネコさんでは20%以上増えると太り過ぎと言われています。「適正体重5キロのチワワさんだと5.75キロ」で太り過ぎなんですね。ところで適正体重ですが、これもヒトと同じようにキッチリした数字があるわけではありません。ガッチリした体格の子であれば、他のチワワさんより体重が増えることもあるでしょうし、逆もまたしかりです。適正体重を見極めるためにはBCS(ボディ・コンディション・スコア)というものがあり、5段階評価でちょうど真ん中の3(9段階の場合は4または5)が適正とされています。

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〈評価の仕方〉

①上から見て「くびれ※」が(ありすぎる・適度・まったくない)

②あばら骨をさわってみて(見てわかる・見えないが容易に触れる・触れない)

→両方真ん中ならgoodです! ※コ◯・コーラのボトルのくびれが理想的

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お話は戻りまして、「ご褒美としてもおやつはあげたいし、どうしたらいいの?」ということですが

1)おやつをあげた分、晩御飯を減らしてあげる

2)フードを低カロリー、満腹感があるものに変える

などがあります。

ここで重要になってくるのはズバリ!「どのくらいのご飯をあげれば体重が安定するのか?」具体的には2週間ごとに体重を測ってあげてください。下のチャートを参考にしてみてくださいね。

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太りすぎた・痩せすぎた

↓↑:あげている量から10%以内で増減

体重測定(2週間後)

安定した(体重・BCSともに)

体重測定(3か月ごと)

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ただし、その子が成長期であったり、とても高齢であったり、病気をもっていたりする場合はご飯の量や種類を変更する必要がある場合がありますので獣医師に相談することをおススメします。

K.G

膣脱・膣過形成 19年05月15日

膣壁全体が脱出したものを膣脱、膣壁の一部が突出したものを膣過形成といいます。これらは発情前期・発情期にみられ、エストロジェンにより膣壁が過形成をおこすためです。この疾病自体は痛みも伴わず、発情が終われば退縮しますが、犬の発情期間は長いのでその間膣粘膜は脱出しっぱなしになり、傷がついたり感染したりするリスクにさらされます。また重度の場合は排尿の妨げになることもあります。

膣脱・膣過形成が生じると交尾の妨げになるため自然交配ではなく人工授精が必要になります。犬種ではボクサーに多発し、また家系的に膣脱・膣過形成の多い系統もあるので遺伝的要因が関わっている可能性があると考えられています。

治療には外科的に切除や整復を行うこともできますが基本は避妊手術になります。これによって多くの場合は再発を防ぐことができます。K.Y

草が鼻の中に入ってしまったフレブルちゃん 19年05月12日

先日、鼻を気持ち悪そうにして、口をくちゃくちゃさせ、寝ていても呼吸が苦しそうで、体重もへってきたとのことでフレンチブルドッグの男の子がかかりつけの先生にご紹介されてやってきました。3日前に公園で草をたべていたころからおかしくなったとのこと。気管支鏡で鼻の中をのぞいてみるとなんと9cmもある細い草の葉っぱが入り込んでいました。一旦お口の中に入った葉っぱが鼻の側に入り込んだと思われます。画像手前は草を取り出すための鉗子です。幸いにすぐに摘出できました。ご家族の方にブログ掲載の許可をいただきました。ありがとうございます。ときどき鼻腔内異物が迷入していろいろな症状を起こします。慢性鼻炎の原因になってしまうこともあります。おかしいなと感じたらご相談くださいね。S.S

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心臓の検査~心電図検査~ 19年05月10日

 心臓機能を知るために様々な検査がありますが、不整脈の診断にもっとも有用なのが心電図検査です。心電図は心筋内を走る刺激伝導系の流れを検出するもので、それにより心臓の大きさや異常な電気信号の有無(=不整脈)を知ることができます。聴診でもある程度は不整脈を検出することはできますが、やはり確定診断や治療につなげるためには心電図検査が必須になります。

 人の健康診断でも汎用されているように心電図検査は動物に大きな負担なく検査できるのもメリットのひとつです。動物の場合は肢誘導が一般的で、4本の電極を四肢に取り付けるだけで検査可能です。少しの時間はじっとしている必要があり震えたり動いてしまう子は基線がぶれて難しいこともありますが、電極につなぐクリップに痛みもないことから多くの子は検査が可能です。

 動物でも不整脈ではふらつきや失神などの症状が出て、ときに致死的となります。リスクある不整脈では抗不整脈薬が必要になります。小型犬に多い僧帽弁閉鎖不全症、猫に多い肥大型心筋症に伴って不整脈が現れることも多く、ふだんそれらの疾患で通院されている子たちでも定期的な心電図検査が推奨されます。

 また手術の際のリスクの評価にも欠かせない検査になっています。麻酔をかけてから不整脈があることに気づいても時すでに遅しの可能性もあるため、手術前検査にて心電図検査を実施し安全な麻酔・手術ができるように心がけています。

 聴診にはじまり、レントゲン、心電図検査、心エコー検査など心臓機能を評価する検査はそれぞれの独自の役割を果たしているとともにいずれも必要不可欠なものです。動物は自覚症状を言ってくれないだけに症状が出たときには進行しているものがほとんどです。やはり予防医学の観点からみても、大切な家族に受けさせてあげたい検査のひとつだと考えています。

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T.S.