南が丘動物通信

胆汁酸の測定 19年01月27日

胆汁酸とは肝臓でコレステロールから生合成され、コレステロールの排泄、脂肪や脂溶性ビタミンの吸収や胆汁分泌にかかわっています。胆汁酸は腸肝循環といって胆汁として腸に放出されたのち門脈を経由し肝臓に戻り、また胆汁として腸管に放出されることを繰り返しています。血液検査における胆汁酸はビリルビンよりもより鋭敏に腸肝循環の障害が反映され、この循環を傷害する疾病、例えば門脈体循環シャントの検査に今まで用いてきました

以前は検査を外注しておりましたが、少し前に導入しましたFUJI DryChem Immuno AU10Vによって院内で胆汁酸を測れるようになっております。院内で測れるようになったことで門脈体循環シャントのみならず、胆嚢粘液嚢腫や膵炎に伴った胆管閉塞の評価を早期にできるようになり、また閉塞の解除も評価できるようになりました。今後しっかりご説明をさせていただきより良い医療につなげていきたいと思います。K.Y

右房における先天性疾患 19年01月20日

 右房の先天性疾患には、右房性三心房心があり、後天性のものとしては血管肉腫などの悪性腫瘍が右心耳から心房にかけて認められることが知られています。このうち先天性疾患の右房性三心房心は、静脈洞弁遺残によって心房内に異常な隔壁ができてしまう事により心房が2つの部屋に分かれてしまう疾患です。犬での報告があり、猫や人では報告は見られません。ただし、左房性の三心房心となると逆に犬では報告がなく、猫や人で見られることがあるようです。

 病態としては、右房の一部分が狭くなり、体から帰ってくる血流の入りが悪くなることによって後大静脈圧と肝血圧の亢進が起こり、臨床症状としては腹水が認められます。また併発することがある疾患として、後大静脈・奇静脈連続奇形や左前大静脈遺残といったほかの先天性疾患が見られたり、肝血圧の上昇から肝腫大が認められます。通常雑音はや頚静脈拡張は認められず、レントゲン上では右心不全を起こすような肺高血圧症、右心腫瘤による右心不全や三尖弁異形成などとの鑑別が求められますが、エコーで明らかに心臓の部屋が増えていることが見えるため、心臓のエコーを実地することにより確定診断が容易な症例です。

 症状は必ずしも若齢で出てくるわけではなく、6歳を超えてから出てくる報告もあることから、腹水がみられた患者さんが来院された際に可能性として考えておくものの1つです。症例としては多いものではなくむしろまれものではありますが、こういうものもある。ということを心にとどめておきたいと思います。

S.A

酪農学園大学 全国動物病院合同説明会 19年01月17日

1月17~18日に北海道にある母校の酪農学園大学にて在学生向けの動物病院就職説明会が開催されました。私たちも卒業生として招待を受け、参加してきました。

北海道は相変わらずの悪天候でしたが、多くの学生さんたちに来ていただき、ひとりひとり真剣に話しを聞いてくれました。

全国には多くの動物病院があります。特殊な検査機を導入していたり、エキゾチック動物に長けていたりとそれぞれ個性があります。学生さんたちはもちろん自分に合うような病院を探しますが、簡単に決められる訳もなく、

「正直、不安で仕方がない」と話してくれました。

実際に自分も同じように感じたことを思い出し、懐かしくなりました。

そんな時はいつも実習に行って実際に肌で感じるのが一番だと思います。

就職先を悩んでいる学生たちへ

ぜひ南が丘動物病院に遊びにきてね

H.F

うちのコ、目ヤニが多い? ネコの気になる目やにについて 19年01月13日

「目ヤニ」とは医学用語で眼脂(がんし)と呼ばれており、ざっくり言うと目から出る分泌物のことです。目ヤニに含まれるものとしては、結膜などから分泌されるムチンを成分とする粘液やまぶたからの老廃物や血液成分、そして目に付着したほこりやチリです。これらの集合体が目ヤニとなって出てきているというわけです。

朝起きたときに目頭や目じりについている少量の目ヤニは正常な代謝活動と言えるでしょう。では異常な目ヤニと判断するポイントをあげていきましょう。

正常な目ヤニは赤褐色~茶色(チョコレート色・コーヒー色)で乾燥しているような見た目です。この目ヤニは正常な新陳代謝によるものです。

・目ヤニが黄~緑色または白色で粘性をもちねばねばしているような場合は細菌感染が疑われます。また色が正常でも目ヤニが多くみられる場合は猫風邪などのウイルス感染が原因と考えられることもあるので注意が必要です。両目に見られる場合は感染症の疑いがあり、片目だけの場合は外傷や異物が原因であることが疑われます。

猫の目の病気には様々なものがありますが、眼が目ヤニで汚れている場合、ヘルペスウイルスカリシウイルスが関与する結膜炎のことがほとんどです。結膜充血浮腫(結膜の腫れ)目ヤニや流涙を伴い、重症例ではくしゃみや鼻汁が認められます。また、感染力が強いため、猫同士は容易に感染しますので注意が必要です。

ウイルスが関与する結膜炎の治療に関しては、抗生物質の点眼薬を用いて行いますが、中には慢性化したり、ウイルスのキャリアとなり、季節の変わり目やストレス下で再発を繰り返すことが知られています。特に多頭飼育やワクチン未接種の子は症状が出やすいのでご注意ください。

これらの原因ウイルスに対しては混合ワクチン接種により抵抗力を高め感染時の症状を軽減することが可能ですので、特に多頭飼育や外に出る猫の飼い主様には日ごろから予防することをおすすめいたします。

茶色や赤褐色の乾いた目ヤニが少量出ている場合は問題ありませんが、白や黄色、緑色の目ヤニが出ていたり、量が多かったり、くしゃみや鼻汁などの症状が出ている場合は病気が原因であることが多いため、なるべく早く獣医師に相談することをおすすめいたします。

Y.N

うさぎのおしっこ 19年01月06日

うさぎは、さまざまな性状のおしっこをする生き物です。有名なお話かもしれませんが、うさぎは健康な状態でも赤い尿をすることがあります。赤い尿というと、つい血尿を疑ってしまいますが、これはうさぎが尿中にポルフィリンという物質を排出することによるもので、異常ではありません。

そうはいっても、赤い尿=正常と言い切ることはできません。本当に血が混じっている場合には深刻な病気である可能性があるため、注意が必要です。血尿であるかどうかは見た目で判断することが難しく、病院で試験紙を用いて検査をする必要があります。

では、うさぎの血尿にはどのような病気が隠れているのでしょうか?

うさぎの血尿の主な原因には、子宮疾患や結石による膀胱炎があります。避妊手術を受けていない女の子の場合、年齢が若ければ「子宮内膜増殖症」、高齢の子では「子宮がん」のような疾患の可能性があります。これらを予防するためには、早期の避妊手術が肝要です。

また、うさぎは体内の過剰なカルシウムを尿中に排出します。その濃度が濃いと、白く結晶化した砂のようなものが尿に混じることがあります。これ自体は病的な状態ではありませんが、この結晶が固まると結石となり、膀胱炎や血尿を引き起こします。結石は膀胱の他、腎臓、尿管、尿道などにでき、大きくなりすぎた場合には外科手術によって摘出しなければなりません。

うさぎの赤い尿には、さまざまな病気を表していることがあります。飼っているうさぎが赤い尿をしたら、できるだけ早く、おしっこを持って来院していただくことをおすすめします。

K.S