南が丘動物通信

予防的胃腹壁固定術 18年07月26日

胃捻転胃拡張症候群は、胸の深い大型犬種にとくに起きやすい致命的になることが多い病気です。胃拡張がおき、悪化すると胃がねじれ血液循環不全、ショック症状、脾臓の捻転壊死、胃の壊死を起こします。非常に重篤で死亡率が高いことより、予防的に胃腹壁固定術を行うことを胃捻転多発犬種では推奨されています。グレートデン、グレートピレニーズ、セントバーナード、ジャーマンシェパード、ドーベルマンなどは代表的な犬種になります。去勢、避妊手術の際に胃腹壁固定術を行うことが多くなってきました。現在は腹腔鏡を用いた手術により小さな傷で開腹手術と同等の固定力を得られるようになり負担の少ない手術を受けていただくことが可能です。

S.S

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単角子宮 18年07月08日

犬の子宮は両分子宮ともいわれ、子宮体から左右の子宮角に分かれるY字型のような臓器です。しかし先天的にその片側の子宮角と卵管をもたないワンちゃんもおり、単角子宮といいます。発現率は0.1~0.15%と言われています。この形態異常は実は残りの子宮角が正常であれば一度の産子数は少なくなるものの妊娠が可能です。

つい先日、出産経験のあるワンちゃんの人工授精時に偶発的に見つかりました。今までも普通に妊娠、出産してきた子だったので予期しておらずとても驚きました。うまいこと受胎してくれることを願っています。K.Y

ラフォラ症 18年07月01日

ラフォラ症は発作を起こす病気の1つとしてあげられる疾患です。この病気は遺伝性の疾患で、犬だと特にミニチュア・ワイアーヘアード・ダックスフントが好発犬種として知られています。常染色体劣性遺伝様式を取り、異常なポリグリコサンと呼ばれる物質が徐々に神経細胞内にたまっていくことによって起こる神経進行性疾患で、平均発症年齢は7歳と遅発性に発症します。光や音など外部の刺激によって、突発的なあごの振戦、しりもち、後退などの驚愕反応に類似した瞬間的な全身の突発性筋収縮(ミオクロニー発作)が認められます。発作以外の神経反応に異常は見られませんが、経過と主に頻度が増えていき、最終的には痴呆、運動失調、強直間代性発作が認められるようになっていきます。

診断にはMRI等が用いられますが、基本的にはほかの疾患を除外した上で遺伝子の変異の解析をすることによって確定診断とします。

治療は発作を抑えてあげることにより症状の緩和を目指しますが、完全に抑制することは難しく、また徐々に進行していくことを止めることはできません。ただし、ラフォラ症の進行自体が緩慢であり、長期間の生存例も多数報告されています。

S.A