南が丘動物通信

高齢動物の褥瘡の治療と管理 18年05月27日

褥瘡(じょくそう)とは体位変換が困難な動物の一定の部位に長時間にわたる圧力がかかることにより血流が悪化する事で皮膚壊死が生じる事である。

特に中型犬から大型犬の臀部に多く認められる。骨が突出している箇所は要注意である。

褥瘡の重症度は皮膚の欠損具合により4段階に分類される。

グレード4になると骨が露出し、褥瘡の管理および感染のコントロールが困難とされている。

褥瘡が認められた場合の初期治療は以下の手順で行う。

  1. 褥瘡周囲を生理食塩水などで湿らせた綿花等で洗浄し、周囲の毛刈りを入念に行う。

  2. 褥瘡周囲の壊死組織の除去およびトリミングを行う

  3. 患部を清潔に保ち、軟膏やドレッシング材で覆う

褥瘡を管理するうえで大切なことは患部を常に清潔および長時間の圧迫を与えないことである。特に高齢動物では起立困難な例が多く、定期的な体位変換を行うことが大切である。

H.F

季節性のある嘔吐:毛球症 18年05月17日

この季節、5~6月に嘔吐が頻繁に見られた猫ちゃんについての症例報告を読んだので、猫の毛球症について紹介させていただきます

毛球症は猫の嘔吐の原因として大変多く、特に春先の換毛期には1年で最も毛が抜けるため、毛球を吐きやすい時期でもあります。換毛期のみに症状が表われる場合には治療の必要がないことも多いです。しかし、頻繁に嘔吐が見られた際には、たとえば慢性胃炎や炎症性腸疾患など基礎疾患が潜んでいないのか、血液検査やその他内視鏡等の画像検査をしたほうが良いでしょう。

 注意したいのは、毛球そのものを吐く様子があまり見られない猫ちゃんでも、胃内には毛球が存在することもありうることです。嘔吐ではなく発咳が主症状という場合もあることを忘れてはいけませんね。

近年、繊維増強食によって毛球の排出促進や予防が可能なことが報告されています。予防として、いろいろなメーカーから製造販売がされておりますので試してもらうのもひとつの手でしょう。また、換毛期には特に丁寧にブラッシングをしてあげることが、今日からできる予防の第一歩ですね。

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M.K

舌炎 18年05月06日

歯石でお悩みの方はたくさんいらっしゃると思います。歯石、歯垢は口腔粘膜を刺激し、口内炎、潰瘍を作る場合があります。

口腔粘膜とは舌も例外ではありません。慢性潰瘍性歯周口内炎は舌の辺縁にでき、瘢痕化して一見腫瘍の様な見た目になることもあります。なかなか見せてくれない部位でもあるので怪しいと思ったら一度ご相談いただけたらと思います。

予防としてはやはり日常のデンタルケアが最も重要になります。小さい時からワンちゃんの口の中を触ってあげるのはコミュニケーションとしてもいいことだと思います。また口内炎は基礎疾患が関わっている場合もございます。例えば甲状腺機能低下症や慢性腎不全、糖尿病が挙げられます。口の中を見てあげるのは健康診断のいいきっかけかもしれませんね。K.Y