南が丘動物通信

耳が欠けちゃった!! 18年03月18日

先日耳の先が欠けてしまったダックスさんが来院されました。その子はダックスフンドによくみられる耳介辺縁皮膚症でした。

これははっきりしていませんが自己免疫や血行障害が原因ではないかと考えられています。耳の辺縁から脱毛やカサブタがみられるようになり、裂傷や潰瘍をつくって耳が欠けてしまいます。

これは残念ながら特効薬はありませんが、乾燥を防ぐために保湿剤をつかったり、カサブタをシャンプーでマメにきれいにしてあげたりすることで抑制することができます。また熱源はこの皮膚疾患を悪化させます。こたつにもぐることやヒーターの前に陣取ることが好きな子をよく聞きます。耳の先が脱毛してきたらとめてあげたほうがいいかもしれませんね。K.Y

肝臓腫瘍 18年03月12日

なかなかお腹の中に大きな腫瘍があってもわかりにくいものです。肝臓腫瘍、脾臓腫瘍で来院する方がたくさんおられます。なかなか気が付きにくいので健康診断も受けていただく必要性も感じます。今回のワンちゃんは巨大な肝臓腫瘍でした。6㎏弱のワンちゃんでしたが長さ13㎝X幅9㎝X縦8㎝ 800g以上の大きな肝臓腫瘍でした。CTで見ていただくといかに大きいのかがわかると思います。あまりに大きすぎて、摘出も大変でした。ベッセルシーリングシステム、バイポーラ、超音波メス、キューサーなどを使用しますが昔と比べてやはり手術は安全に的確に、短時間で行えるようになりました。病理診断は肝細胞癌でした。とっても良い子です。長生きできるとよいですね。S.S

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犬のリンパ球形質性鼻炎 18年03月11日

犬のくしゃみの原因のほとんどは歯周病からのものと言われています。ではそのほかの原因でくしゃみが止まらない病気はといえば、腫瘍や異物などがあり、その中の1つに犬のリンパ球形質性鼻炎があります。これは非感染性の鼻炎であり、原因としてはアレルゲン物質や免疫介在性の可能性がありますが、実際に明らかな原因を特定することは難しい疾患です。症状としては慢性的な漿液性あるいは膿性の鼻汁が認められ、且つ感染性の疾患ではないため、一般的な抗菌薬や抗炎症薬に反応しない、あるいはコントロール不良となります。また鼻汁40%は片方のみといわれていますが、経過の長い症例では両側性へと移行することもあります。

診断は確定診断をするにあたっては鼻粘膜の組織を取り出して病理検査が必要になりますが、内視鏡での組織の採取は上辺の炎症を起こしている部位のみを取ってしまうことも多く、実際には経過やCTなどの画像診断と合わせて総合的な診断となります。治療としては免疫介在性の慢性の病気であることから、完治。ということは難しい病気のため、ひどいときにステロイドを使う・二次感染が見られたら抗生剤を使うといった対症療法が一般的になります。

S.A

心膜・横隔膜ヘルニア 18年03月05日

横隔膜が破れ、お腹の中の臓器が心臓を覆う膜の中に入っている状態です。生まれつきに異常もっているのが一般的です。今回の症例のワンちゃんはペキニーズで10歳でした。むつかしい病気だということで遠方からわざわざ来てくれました。実際に開腹してみると心膜の中に胃や腸が入り込み、頭側の心膜にも穴が開き前胸に脾臓前胸にの一部が入り込み癒着していました。胸骨中央切開と腹部正中切開を行う大きな手術になりましたが頑張ってくれて今はすっかり元気です。生まれた時からとってもおとなしい子でいたようですがこの影響があったのでしょうね。ご家族の方にとってもかわいがっていただいています。愛情をいっぱい受けて長生きしてね。  S.S

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多血小板血漿療法(PRP療法) 18年03月04日

血小板には血液を凝固させる作用の他に、成長因子と呼ばれるサイトカインが豊富に含まれています。このサイトカインを利用して組織再生効果や抗炎症効果などを得る治療を多血小板血漿(Platelet Rich PlasmaPRP)療法といいます。人医療においては、1998年にMarxらにより歯科領域で初めてPRPが下顎骨再建術に臨床応用されました。骨再生および骨増大を目的に腸骨と併用移植し、その結果有意に高い骨成熟度と骨面積率を得たというこの報告をきっかけに、PRP療法は世界中に広がり、今では血小板の持つ様々な効果が報告されています。獣医領域においても、近年PRP療法の注目度は高まっており、症例報告数も年々増えています。

患者より採取した血液から、血小板が豊富な血漿を分離しゲル化したものを病変部に注入します。患者自らの血液から作成するのでアレルギー反応などは生じにくく、培養操作も不要で細菌の増殖なども起こらないため安全性も高いです。

当院でもPRP療法を実施しております。骨折症例における骨増生促進や表皮損傷症例での創傷治癒を目的に治療を行なったり、関節炎症例では疼痛緩和や抗炎症作用が期待できる治療です。

PRP療法についてのご相談・ご希望がございましたら、獣医師までご相談ください。

H.B.

尿道粘膜の脱出 18年03月04日

若齢の短頭種犬特にブルドッグに多いといわれ、性的に興奮した時や過剰な性行動がみられたあとに認められるといわれています。先日の症例はめずらしくバーニーズマウンテンドッグの1歳の男の子でした。脱出した後、すこし時間がたっており粘膜切除術を行いました。脱出した粘膜は陰茎の先端に小さなえんどう豆のように見え、とても気にしてなめ続けることが起きます。写真は手術の時のものですが粘膜が切除中に中に入り込まないように陰茎に直針をさしたあと、(ちょっといたそうですが)脱出した粘膜を切除しながらものすごく細い糸で縫っていきます。術後出血がしばらく続きますがエリザベスカラーなどをつけて舐めない管理が必要です。

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