南が丘動物通信

産後の母イヌの痙攣は気をつけて 16年06月19日

産後の母イヌにあえぎ、ふるえ、痙攣などが現れることがあります。これは胎子や乳汁にカルシウムをとられて、産褥低カルシウム血症をおこしているかもしれません。初期症状が出ると、数時間で、強直性・間代性痙攣と眼球震盪を伴うテタニーに進行します。テタニーが起こる状態になると、心拍数、呼吸数、体温が上昇して、急速に病状が悪化して、治療しないと死亡してしまうケースもある緊急疾患です。またそれ以外は母子ともに異常を起こさないので気づきにくいところもあります。特に小型犬、産子数の多い子、泌乳量の多い産後1~3週間は気をつけましょう。

治療としてはカルシウムの静脈注射と母親にしっかりご飯を食べさせることです。母親には自由採食か13回しっかりご飯をあげましょう。また症状がでたら半日以上哺乳させず、母親を休ませます。人口乳で補助してあげるといいでしょう。最後に妊娠期に経口でカルシウムの投与はしてはいけません。これは産褥低カルシウム血症を悪化させることがあるためです。K.Y

連鎖していく眼科疾患 16年06月12日

眼科疾患は単独で起こるものもあれば、内分泌疾患、腎臓病から二次的に発生するもの、眼科疾患から別の眼科疾患を引き起こすこともあります。例えば、毛様体、脈絡膜、虹彩からなる血管に富んだ組織をぶどう膜があります。そこで炎症が起こると炎症細胞が眼圧をきめる眼内の水分の出口を塞いで緑内障を併発したり、はたまた炎症細胞が眼内の奥へと進むと網膜はく離を引き起こすこともあります。網膜はく離では眩しそうにしたり、緑内障では目が大きくみえたり、緑色に見えたりします。早期に気づかないと失明してしまいます。このように眼科疾患は連鎖していく場合もあるため、早い段階で気づき、眼科検査することが動物の視力維持に重要であると言えます。

S.K.

糞線虫症 16年06月05日

糞線虫は犬や猫の小腸粘膜に寄生し、主に下痢を起こす寄生虫です。糞線虫の感染経路は大きく3つあります。ひとつは糞便中に含まれる幼虫がなんらかの形で口に入ってしまうことによる経口感染、あるいは運動性を持つ幼虫が皮膚から潜り込んで直接体内に入る経皮、粘膜感染、また授乳期の母犬から子犬への経乳汁感染も見られます。このなかでも経乳汁感染による新生子犬、子猫の感染が大部分を占め、密飼いのブリーダーさんや保護シェルターからもらわれてきたワンちゃんネコちゃんでよく発見されます。糞線虫の寄生による主な症状は下痢ですが、皮膚から感染が起こった場合、血液を介して肺に移行するため感染から数日後に咳が認められることがあります。ですので初期症状として咳があり、数日経って下痢をし始めた子犬、子猫さんは要注意です。また糞線虫は人にも感染する恐れがあり、免疫力の弱っている高齢者や小児では重篤化することがあるため、糞線虫が発見された場合には駆虫に加えて環境の清浄化が必要となります。 Y.I