南が丘動物通信

フェレットの脊索腫 11年12月27日

脊索腫はフェレットの尾の先端に好発する腫瘍です。この腫瘍は非常に典型的な外観を呈し、骨から発生するため、硬く、親指頭の大きさまで成長します。
浸潤性があり、尾椎体を破壊し、周囲の組織を侵襲するように増殖します。その為、レントゲンでは尾椎の融解と増殖が認められます。
また、治療は腫瘍が出来た部位を断尾することです。この腫瘍は良性腫瘍ですが、他の部位へ転移したとの報告は少数ですが認められます。
フェレットの尻尾の先端に腫瘤を見つけた際には出来るだけ早期に診察にいらしてください。

猫の膵炎 11年12月13日

近年では膵特異的リパーゼが利用可能になったことで膵炎を診断することが多くなりました。犬と猫では膵炎の病態の特徴が異なり、病気の捉え方を考慮しなければなりません。
 猫では慢性膵炎が多く9割を占め、その症状が明確でないことが多いです。食欲不振、嘔吐、元気消失、体重減少など非特異的な症状でかつハッキリとしないため、外見上健康でも実は膵炎ということも考えられます。犬と異なり肥満や高脂肪食が発生要因とはならないようです。猫の膵炎では特徴的な『三臓器炎』という病態が認められ、膵炎、胆管肝炎、炎症性腸疾患(IBD)の3つが併発するものです。そのため肝臓、消化管についても評価や治療に対する検討が必要になります。
 猫では年齢に関係なく膵炎が発生すると考えられていますが、やはり高齢の猫では慢性膵炎が多いようです。血液生化学検査では従来から用いられていたアミラーゼ・リパーゼは意義がなく、猫膵特異的リパーゼが最も信頼性のある血液検査です。鑑別診断や膵炎の症状、また併発疾患の評価に血液検査、超音波検査、レントゲン検査などを行う必要があります。重篤な合併症であるDIC(播種性血管内凝固症候群)の検査に凝固系検査が必要となります。
 残念ながら現在では膵炎に直接的な治療法はなく、支持療法が中心になるのは犬でも猫でも同様です。十分な輸液、疼痛管理、制吐と共に、猫では長期の絶食は肝リピドーシス(脂肪肝)を招くためになるべく早く栄養補給が必要となり、食欲がない場合には強制給与または食道チューブや胃チューブなども行うべきです。IBDや肝疾患が併発した場合には積極的に治療を行います。
 猫は慢性活動性膵炎であり、再燃のリスクが高いことを常に考えなければなりません。合併症も多く重篤な状態に陥ることも多いため、犬でも猫でも膵炎に対する十分な理解が必要となります。

ノミによる皮膚炎 11年12月06日

犬や猫でノミの寄生によって引き起こされる臨床症状は
①ノミ刺されによる皮膚炎
②ノミアレルギー性皮膚炎
③瓜実条虫の寄生
④失血性貧血(特に子犬、子猫、衰弱した成熟動物)
⑤性格の変化(特に猫で、怒りっぽくなる、うなる、突然走りだしたりするなど)

などがあります。

ノミによる皮膚病の症状は個々の免疫的な感受性の強さやノミ刺されの程度などによって異なります。

猫ではノミに対してアレルギーを起こしていない場合は、無症状かノミ刺され皮膚炎が見られます。ノミ刺されによる皮膚炎は軽度から中等度の痒みがみられ、頭部や頚部、背部に小さなかさぶたが見られたり、丘疹やフケ、脱毛などがみられることもあります。
ノミアレルギー性皮膚炎はノミ刺されによる皮膚炎よりはるかに激しい痒みを起こします。発症は3~6才が最も多いと言われていますが、極めて老齢の動物にも起こります。

三田市は冬が寒く、ノミの侵襲は夏から秋にかけて最も激しいので、皮膚症状に季節性がみられます。しかし、近年では冬であっても室内温度が暖かい場合は一年を通して症状がでると言われています。