スタッフによる診療コラム

9月29日 葉月会眼科セミナー

10年09月30日

即戦力眼科学シリーズ~臨床兆候からのアプローチ~
第一回 痛そうな眼
ファーブル動物病院眼科 山下 真先生

動物の眼が痛そうなので診て欲しいという理由で来院される飼い主さんはとても多く、眼科分野は動物病院ではとてもニーズのある診療科目です。今回は眼科分野で第一線を走る山下先生に痛みを呈する代表的な眼疾患について講義していただきました。角膜潰瘍の痛みの変化や治療法に対する考え方、緑内障へ移行するため緊急性の高い水晶体脱臼、また普段行っているスリットランプを用いた眼科検査についても重要性を再認識することができました。

第三眼瞼腺突出

10年09月28日

第三眼瞼は内眼角に存在する瞼で、T字状の軟骨で形状をなしています。正常な第三眼瞼腺は、結合組織によって周囲に付着しています。腺が腫脹し、膜から逸脱した状態のことをチェリーアイといい、炎症を伴います。また、二次的に流涙、結膜炎が生じてきます。原因としては結合組織帯の欠損(遺伝的)や外傷などが考えられます。いったん元に戻ったとしても、基本的に外科手術で整復しない限り何度も逸脱する疾患です。腺の除去は涙量がらるリスクがあるのですすめられません。

9月25日 葉月会腫瘍学セミナー

10年09月26日

犬の骨肉腫の特徴

酪農学園大学 廉澤 剛先生

骨肉腫は、大型犬の四肢に発生が多く、患肢に非常に強い疼痛を起こし、また発生後高い確率で肺転移を起こします。診断は、X線検査によって病変部の骨の様子を詳細に把握し、さらに病変部の病理組織学検査により確定診断します。今回のセミナーでは、骨肉腫における画像診断学的特徴、および骨折や骨髄炎、代謝性骨疾患などとの鑑別点などを中心に多くのX線写真を交えて講義していただきました。このセミナーで学んだことを活かして腫瘍の早期発見、早期診断に役立てたいと思います。

9月23日 iVEAT 心エコーセミナー

10年09月24日

宮崎大学 獣医外科学教室 萩尾 光美先生

今回は、右傍胸骨肺動脈断面像および左傍胸骨四腔断面像、五腔断面像、心窩部アプローチによる大動脈流出路像の描出方法について教えて頂きました。肺動脈断面像は、肺動脈の形態を観察したり、フィラリアの虫体を検出するために有用な断面です。また四腔、五腔断面像、大動脈流出路像はいずれもドプラ検査には欠かせない断面です。これらの断面の正確な描出方法を教えて頂き、診断の精度の向上に繋がったと思います。

9月16日 第4回画像診断セミナー

10年09月16日

千里桃山台動物病院 嶋崎 等 先生

胸部、血管系CT読影法について教えていただきました。前半は各疾患におけるCT所見を中心にご講義していただき、また後半は実際の症例においてのCT所見を解説していただきました。非常に為になる講義で、興味深く拝聴させていただきました。

肛門嚢アポクリン腺癌

10年09月14日

肛門嚢アポクリン腺癌は一般的に肛門嚢の周辺における深部の硬い腫瘍としてみられます。老齢のイングリッシュ・コッカー・スパニエル、スプリンガー・スパニエル、ダックスフント、アラスカン・マラミュート、ジャーマンシェパードで好発傾向があります。
腫瘍が大きくなるにつれ、腫瘍が直腸を圧迫し便秘を起こすことがあります。また、この腫瘍の中には血中のカルシウム濃度の異常な上昇に関連するものがあり、血中カルシウム濃度の上昇は、食欲低下、体重減少、多飲多尿を引き起こします。
この腫瘍は局所のリンパ節や他の臓器に転移することもあります。ほとんどの場合、外科手術では腫瘍とその周りの組織に加えて、所属リンパ節の切除が必要になります。また、化学療法と放射線治療も行われることもあります。治癒率は腫瘍の大きさに大きく関与しますので、早期診断、早期治療が望まれる腫瘍です。

猫の扁平上皮癌

10年09月07日

扁平上皮癌は猫の皮膚に発生する一般的な腫瘍です。特に外に出る猫では紫外線が刺激となり、耳、顔面、眼瞼、鼻梁などに強い炎症がおこりその部分が癌化することがあります。これは毛の色の薄い猫、あるいは白猫によく見られます。また外耳炎が慢性化したような場合にも分泌された耳垢に刺激物質が含まれており、それが癌化を促進させるとの報告もあります。このような誘因により発生するため、扁平上皮癌の多くは顔面の組織に発生する傾向があります。
症状は、一般的な腫瘍病変と同様にしこりを形成するのみではなく、炎症性疾患が原因である場合は強いかゆみなどの症状をおこし、皮膚のびらん・潰瘍病変を形成し周囲の組織へ浸潤しその機能を障害します。末期にはその組織の機能障害を強く起こすとともに、腫瘍性の悪液質(衰弱状態)に陥ります。
診断は一般の皮膚腫瘍と同様に、針吸引生検に代表される病理組織検査により診断することが可能です。
治療は外科的切除が第一選択で、耳介、耳道、眼球、下顎に発生した腫瘍は完全に切除できれば良好な予後が期待できます。しかし顔面の器官に腫瘍が発生した場合、切除すると生活レベルに支障が出る重要な器官である場合が多いので切除不能な場合も多々あり、早い例では1,2カ月で腫瘍の侵襲が進んでしまうなど予後は悪い場合もあります。また治療としては確立していないのですが、切除不能な症例に放射線療法や抗癌剤あるいはインターフェロンによる治療などが効果があったとされる報告もあります。
猫では、紫外線の刺激、外耳炎などからの発生例が報告されていますので、長時間外に出さない、外耳炎の治療をきちんと行うなどのことは扁平上皮癌の発生をおさえるのに有効だと思われます。

9月3日 葉月会麻酔学セミナー

10年09月04日

麻酔を行う前にすべきこと
今井 彩子 先生

今回は麻酔を行う前に評価するべきことについて講義して頂きました。
その子の一般状態のみならず、品種や性別等の情報もきちんと把握した上で、麻酔に臨むことで、より安全な麻酔が行えます。また、麻酔を行った状態、リスクなどを記録しておくことも、重要であるので、今回講義で出てきた術前評価区分も参考にしたいと思います。

ヒグローマ(滑液嚢水種)

10年09月04日

ヒグローマ(ハイグローマ)は特にグレートピレニ-ズ・セントバーナード・バーニーズマウンテンドッグなどのような大型犬において骨の飛び出している部分や圧力のかかる部位に発生します。足の関節、特に肘の発生がおおく、寝転ぶときにゴンとぶつけることにより、液体に満たされた袋ができます。内科的治療では、なかなか治癒しにくい病気です。長期間続くと重度の炎症がおこり、潰瘍、感染、膿瘍、炎症組織の蓄積、糜爛をともなうことがあります。初期には液体を抜き内服薬、圧迫包帯と柔らかなマットを敷くことで治癒することもありますが、継続するようであれば、外科的にドレーンを留置しパッドを当て圧迫包帯を行うことにより早期に治癒させることが重要になります。重度の潰瘍や増殖をおこすと大変な外科手術、皮膚移植などが必要になることもあり、長引かせない治療を早期に行う事が望まれております。大型犬で若年の皮膚が柔らかい時期に多発しやすいためやわらかい敷物をしくなど注意をしてあげてください。

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