南が丘動物通信

うさぎの脊髄損傷 10年03月30日

うさぎの骨は全体として薄くてもろく、脊髄は容易に損傷を受けることが多い。脊椎が完全に離断する脊椎骨折、椎間板の脊髄腔への逸脱などがあります。また、感染症による可能性も否定できませんが、レントゲンにて明らかな異常が認められない場合も多く、原因の特定は難しいことが多いです。多くは胸腰髄の損傷によって、両後肢麻痺、膀胱麻痺がおこります。脊椎損傷して24時間以内であれば脊椎を外科的に整復固定することで回復を期待できることがありますが、多くはないです。原因治療が困難である症例には、食餌、飲水量を確保し、二次疾患の予防すること、圧迫排尿を行い膀胱を空にしてやること、など適切な看護が必要となってきます。麻痺症状が改善することは多くはなく、平均して寿命は短くなるものの、介護によって障害を持ちながらも生きていくうさぎも少なくはないです。

犬の骨肉種 10年03月16日

 骨肉腫は原発性骨腫瘍の中で最も多く、悪性骨腫瘍全体の70~80%を占めるといわれています。大型犬や超大型犬に多発する傾向があり、2歳齢時と9歳齢時に発生のピークがあると報告されています。
 骨肉腫は、前肢においては肘から離れた部位に、後肢においては膝に近い部位に多発し、このような四肢の骨に腫瘍が発生した場合によくみられる症状は、跛行や患部の疼痛などがあげられます。
 骨肉腫は症状がみられた時点で、90%は遠隔転移がおこっているといわれています。そのため、骨肉腫を根治することは非常に困難です。
 治療の目標は、疼痛を緩和しながら、飼主様と出来るだけ長く生活することとなります。
 無治療の際の平均生存期間は4~6カ月と非常に短く、その期間は疼痛を我慢しながらの生活になります。疼痛緩和の第一選択は断脚です。断脚と聞くと抵抗を感じる飼い主様が多いと思います。しかし断脚後、多くのわんちゃんはみごとに3本足で今までの生活をおくれます。また、断脚後のご家族の満足度は100%との報告もあります。それでも断脚に抵抗がある場合は、緩和放射線療法、オピオイド鎮痛薬、ビスフォスフォネート製剤などが疼痛緩和のために使用されます。
 以上の治療をしても生存期間の延長は望めません。生存期間の延長には抗癌剤療法が必要となり、抗癌剤療法により平均生存期間は8~18カ月に延長すると報告されています。
 

犬の肛門周囲腺腫 10年03月10日

肛門周囲にできる腫瘍で最も多いのは肛門周囲腺腫です。去勢していない高齢犬に多く発生する良性の腫瘍です。アンドロゲンという男性ホルモンの異常によって刺激されて出てくるようです。多発することが多く、肛門周囲が腫瘍の自壊により化膿し、たいへんな状況になって連れてこられることもしばしばです。小さなものでは去勢手術により消えてしまうものもありますが、基本的には去勢手術と腫瘍摘出手術が必要になります。
雌の肛門周囲腺腫瘍は副腎での異所性のテストステロン分泌が起きている可能性があるために精密検査が必要になります。
肛門周囲腺腫は会陰部89%、尾7%、腹部3%の割合で発生します。
肛門周囲にできた腫瘍が肛門周囲腺癌の場合もありますので、発見された場合ぜひ動物病院に連れていくことをお勧めします。
なお、前立腺肥大、尾腺の過形成、会陰ヘルニアとともに去勢手術をしておくことにより予防可能な腫瘍です。若い時期の去勢手術についてもご考慮いただくことをお勧めいたします。

ウサギの去勢手術 10年03月09日

ウサギは縄張り意識が強く、尿スプレーによって縄張りを主張したり、オーナーに対して攻撃的になることがあります。特に雄ウサギを同居させると、ほとんどの場合激しい喧嘩が見られ、大ケガの原因になります。細菌感染に弱いウサギは、これが致命傷につながることも少なくありません。
また、ウサギは繁殖力が旺盛な生き物です。避妊していない雌、去勢していない雄を一緒に飼育すると無計画に子どもが増えてしまいます。
去勢手術はこういった問題行動を軽減したり、不要な出産を防ぐことを目的に行われます。また、発生頻度はそれほど高いわけではありませんが、精巣腫瘍の予防にもなります。問題行動のすべてが性ホルモンの影響によるものではないため、去勢手術によりすべてが解決できるとは言えませんが、行動は穏やかになり、尿スプレーは90%以上の確率で消失します。
去勢手術後もしばらくは副生殖腺に精子が残存しているので、術後5週間の間は雌と同居させると妊娠の可能性があり、注意が必要です。また、去勢手術をするとエネルギー要求量が減るために肥満になりやすいので、術後の食事管理には注意が必要です。
このように術後にいくつか注意する点はありますが、得られるメリットは非常に大きいため、去勢手術をお勧め致します。

ミニチュアダックスフントの脛骨異形成症 10年03月02日

ミニチュアダックスフントの脛骨が、成長期に湾曲する脛骨異形成症(Pes Varus)という病気があります。膝のすぐ下の骨は、脛骨と腓骨からなっており、その脛骨が内側に曲がってくるという病気です。成長期、成長板によって、骨が縦に成長する時期に、なんらかの原因によって脛骨の遠位成長板の内側といった一部分だけが、成長をやめてしまい、その結果、脛骨が内側に曲がってくる病気です。原因は分かっていませんが、遺伝の可能性が高いとされています。
その脛骨の湾曲の程度は様々で、軽度な場合全く歩行に影響がなく、重度な場合は跛行がでます。脛骨が曲がっていますので、膝蓋骨が外方に脱臼しやすくなります。
治療の必要がない場合も多いですが、湾曲が重度で、跛行が出てしまう場合は、脛骨の湾曲を矯正する骨きり術がおこなわれることがあります。