南が丘動物通信

前立腺肥大 10年02月23日

前立腺は、雄犬の生殖器の1つで、直腸のすぐ下方に位置し、尿道を取り囲むように存在しています。加齢と共に、精巣からのホルモンのアンバランスによって、肥大することが多いです。これとは別に、前立腺腫瘍で前立腺が大きくなることもありますが、比較的多くはありません。
人では、前立腺は尿道の方に向かって大きくなることが多く、排尿困難を起こすことが多いですが、犬の場合、外側に大きくなります。そのため、直腸を圧迫して排便困難が出てくることがありますが、肥大していても症状が出ないこともあります。血尿が認められることで分かることもあります。
排便障害が続いたり、性ホルモンの分泌異常があると、会陰部の組織が弱くなり、会陰ヘルニアを起こすことがあります。
治療としてはホルモン剤の投与などもありますが、去勢手術が有効です。排尿困難が重篤な場合などには前立腺を摘出しなければならないこともあります。早い時期に去勢を行った犬では通常肥大は起こらないと言われているので、若いうちの去勢が薦められます。

うさぎの斜頚 10年02月16日

うさぎの斜頚は日常的に見られる疾患です。
飼い主様が挙げられる主訴としては「首が傾いている」や「まっすぐ歩けない」
などが主となります。
90℃以上の捻転を起こす酷い症例もあり、見た目に非常に辛いものです。
原因としては、原虫(エンセファリトゾーン)のせいではないか、あるいは外耳炎から波及した内耳炎(細菌性)のせいではないか、また脳の炎症のせいではないか、などが良く挙げられますが
研究不足のため、今尚、ハッキリとした解釈が得られていません。

治療としては、上記それぞれの原因(と思われているもの)に対し行われます。
経過については様々で、早いものも遅いものもあります。
一般的には非常に早期に発見・治療開始が可能であった症例は予後も良く、
逆に時間の経ってしまった症例は予後が良くない事が多いので
やはり、普段からこの疾患について認識を持ち、なるべく早くお連れ頂く事が重要かと思われます。

犬の皮膚組織球腫 10年02月02日

犬の皮膚組織球腫は若齢犬(3歳以下)で多くみられる良性腫瘍です。この腫瘍は皮膚の抗原提示樹状細胞であるランゲルハンス細胞の増殖によっておこります。肉眼的には特徴的な赤色無毛ドーム状の皮膚腫瘍が頭部、四肢にでき、年齢や部位、腫瘍の形態、細胞診によって総合的に診断します。この腫瘍の多くは最大サイズに到達後4~6週間で自然に消失します。しかし、消失しないケースもありますので、その際には外科的切除が必要となります。
このような良性腫瘍でも見た目だけでは判断ができません。良性腫瘍と思ってそのままにしておいたら、気付いた時には手遅れになっていた、なんて話もよくある話です。皮膚に腫瘍を発見したら、総合的な診断が必要となりますので、小さいうちに獣医師に相談することをお勧めします。