スタッフによる診療コラム

ステロイド皮膚症

10年01月26日

 コルチコステロイドとは副腎皮質から分泌されるホルモン群で、中でも糖質コルチコイドには抗炎症作用、免疫抑制作用があることから、急性および慢性炎症、自己免疫疾患、アレルギー性疾患、ショック、腫瘍などの様々な疾患に対して使用するために化学的に合成されて使用されています。
 ステロイド皮膚症とは、このコルチコステロイド(特に糖質コルチコイド)を含む外用剤を不適切に長期間にわたって塗布することによって引き起こされる皮膚疾患です。特徴的な皮膚症状としては、皮膚が薄くなって透き通って見えるようになり、脆くなっているため弱い力で簡単に皮膚が裂けて出血するようになります。またステロイドの持つ免疫抑制作用によって、繰り返し細菌や真菌などの感染が起こり、膿疱形成が繰り返されたりもします。
 治療はコルチコステロイドを含む外用剤の使用を中止することによって行われます。
 コルチコステロイドを含む外用剤は、痒みがあったり、できものができた場合などに使用することによって一時的に改善がみられるため、安易に使用されることが少なくありませんが、使用に際しては獣医師の指示に従って適切に使用するようお願い致します。

1月23・24日 第2回日本獣医がん学会

10年01月24日

大阪で開催された第2回日本獣医がん学会に参加させていただきました。
今回のメインテーマは組織球肉腫でした。組織球肉腫の診断法、治療法、予後についての情報はある程度確立されつつありますが、未だ不明な点もあり、今まさに議論されている腫瘍です。組織球肉腫に対する最先端の情報を多く聞くことができ、非常に有意義な二日間となりました。

1月21日 葉月会セミナー

10年01月21日

犬猫の膵炎(後編) 
アイデックスラボラトリーズ 平田雅彦先生

今回は犬猫の膵炎の診断と治療法について講義して頂きました。Spec cPLとSpec fPLの測定により昔に比べて膵炎の診断は容易になりましたが、この指標を鵜呑みにして診断してはいけないことを再認識しました。

犬のマラセチア性皮膚炎

10年01月19日

マラセチアは、人や動物の皮膚に常在する酵母様真菌であります。何種類か菌種がありますが、一菌種を除いて脂質要求性という特徴があります。マラセチア性皮膚炎は、皮膚表面で異常増殖することで皮膚炎を引き起こしさらに皮膚疾患を悪化させると考えられています。通常皮膚は、マラセチアが異常増殖しないように防御機構が、働いていますが、皮膚環境の変化や基礎疾患において、免疫機構が破綻しますとマラセチアが異常増殖し、角層から中に侵入しその結果、皮膚に炎症が起こります。その炎症が痒みや、赤みの原因になります。マラセチア性皮膚炎の治療は、局所療法と全身療法があります。局所療法は、軽度で、症状が軽い場合にその部位の外用真菌剤が使用されます。また、シャンプーは、表皮のコンディションを整える為に非常に有用です。全身的なマラセチア性皮膚炎の場合は、全身的な治療が必要なため、シャンプー療法とともに、抗真菌剤の内服が有用です。

1月16・17日 JAHA国際セミナー

10年01月18日

インターベンショナル・ラジオロジー
Animal Medical Center(New York) Dr. Chick Weisse、Dr. Allyson Berent

今回は、近年動物医学領域でも行われつつあるインターベンショナル・ラジオロジー(IR)について講義して頂きました。IRは、X線透視法や超音波法などの最新の画像技術を利用して、ステントや化学物質(抗癌剤や塞栓物質など)などを血管やその他の構造物に選択的にアクセスすることにより送り込む方法で、極めて低侵襲性であり、また今までの治療では困難であった症例に対する新しい治療法としても期待されています。現在よく行われるIRとしては、気管ステント設置術、先天性肝内門脈体循環シャントに対する塞栓術、腫瘍に対する化学塞栓術などがあり、この技術は今後様々な症例で応用されていく事と思われます。

1月16日 葉月会セミナー

10年01月17日

症例検討会
酪農学園大学 廉澤 剛教授

今回は
先月の手術症例のビデオ解説
猫の副腎腫瘍
についてご解説頂きました。

猫の副腎腫瘍は、普段あまり目にする事のない疾患ですが、
だからこそ、いざ巡り合った時の対策が必要であり、
今回の症例検討で得られた知識を、今後の診療に役立ててゆきたいと思います。

1月15日 iVEATセミナー

10年01月15日

Dr萩尾の実践心エコー:入門編⑤
宮崎大学・獣医外科学教室 萩尾 光美教授

実践的な心エコー法について教えていただきました。心機能障害をもっている心臓病は必ず拡張機能障害をともなっており、その評価としては左室流入血流の測定が適しています。しかし、より詳細な拡張能の評価をするためには、組織ドプラ法が必要となってきます。、ちょっと難しい講義内容でしたが、心機能を評価するためにはぜひともマスターしたい手技であります。

1月11日葉月会セミナー

10年01月12日

消化器疾患とその内科的治療方法
亘 敏広先生 日本大学・生物資源科学部・臨床獣医学研究室教授
消化器症状とそれに応じた治療法を教えていただきました。
なかでも柴犬の炎症性腸疾患(IBD)についてのお話を興味深く聞きました。東京大学の大野先生の報告にもありますがやはり特殊なケースが多いようで、日本大学における柴犬のIBDの治療成績、反応などについて教えていただきました。柴犬ははじめから積極的治療していかなければいけないと改めて再認識いたしました。また猫の巨大結腸に黄色ワセリンを投与することもあたらしい知見でした。

膀胱結石

10年01月12日

結石とは、食餌や飲水から摂取されたカルシウム、マグネシウム、リン、尿酸、ケイ酸などのミネラル成分が尿中のたんぱく質などと結合して結晶化し、固形物となったものです。
結石があると、その部分が刺激を受け障害を受けます。
結石の種類は多様ですが、犬では結石の60%以上がリン酸アンモニウムマグネシウムです。そのほか、シュウ酸カルシウム、シスチン、尿酸アンモニウムなどがあります。
結石による刺激によって粘膜に炎症がおこり、尿の出方が悪い、尿量が少ない、排尿回数の増加、血尿などでの症状を示します。持続的な刺激によって細菌感染を引き起こし、腎盂腎炎を引き起こすこともあります。また、結石により排尿が阻害されると閉塞が起こります。特に雄では尿道が細くなる部分で閉塞が起こりやすいです。閉塞が起こると、尿毒症になったり、膀胱破裂することもあり、命に関わってきます。
リン酸アンモニウムマグネシウム結石は、食餌療法で結石を溶解させることができますが、そのほかの結石の場合は手術で除去しなければなりません。結石の再発を防ぐために、結石の種類によってそれぞれの療法食を与えていくことになります。

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