南が丘動物通信

ステロイド皮膚症 10年01月26日

 コルチコステロイドとは副腎皮質から分泌されるホルモン群で、中でも糖質コルチコイドには抗炎症作用、免疫抑制作用があることから、急性および慢性炎症、自己免疫疾患、アレルギー性疾患、ショック、腫瘍などの様々な疾患に対して使用するために化学的に合成されて使用されています。
 ステロイド皮膚症とは、このコルチコステロイド(特に糖質コルチコイド)を含む外用剤を不適切に長期間にわたって塗布することによって引き起こされる皮膚疾患です。特徴的な皮膚症状としては、皮膚が薄くなって透き通って見えるようになり、脆くなっているため弱い力で簡単に皮膚が裂けて出血するようになります。またステロイドの持つ免疫抑制作用によって、繰り返し細菌や真菌などの感染が起こり、膿疱形成が繰り返されたりもします。
 治療はコルチコステロイドを含む外用剤の使用を中止することによって行われます。
 コルチコステロイドを含む外用剤は、痒みがあったり、できものができた場合などに使用することによって一時的に改善がみられるため、安易に使用されることが少なくありませんが、使用に際しては獣医師の指示に従って適切に使用するようお願い致します。

犬のマラセチア性皮膚炎 10年01月19日

マラセチアは、人や動物の皮膚に常在する酵母様真菌であります。何種類か菌種がありますが、一菌種を除いて脂質要求性という特徴があります。マラセチア性皮膚炎は、皮膚表面で異常増殖することで皮膚炎を引き起こしさらに皮膚疾患を悪化させると考えられています。通常皮膚は、マラセチアが異常増殖しないように防御機構が、働いていますが、皮膚環境の変化や基礎疾患において、免疫機構が破綻しますとマラセチアが異常増殖し、角層から中に侵入しその結果、皮膚に炎症が起こります。その炎症が痒みや、赤みの原因になります。マラセチア性皮膚炎の治療は、局所療法と全身療法があります。局所療法は、軽度で、症状が軽い場合にその部位の外用真菌剤が使用されます。また、シャンプーは、表皮のコンディションを整える為に非常に有用です。全身的なマラセチア性皮膚炎の場合は、全身的な治療が必要なため、シャンプー療法とともに、抗真菌剤の内服が有用です。

膀胱結石 10年01月12日

結石とは、食餌や飲水から摂取されたカルシウム、マグネシウム、リン、尿酸、ケイ酸などのミネラル成分が尿中のたんぱく質などと結合して結晶化し、固形物となったものです。
結石があると、その部分が刺激を受け障害を受けます。
結石の種類は多様ですが、犬では結石の60%以上がリン酸アンモニウムマグネシウムです。そのほか、シュウ酸カルシウム、シスチン、尿酸アンモニウムなどがあります。
結石による刺激によって粘膜に炎症がおこり、尿の出方が悪い、尿量が少ない、排尿回数の増加、血尿などでの症状を示します。持続的な刺激によって細菌感染を引き起こし、腎盂腎炎を引き起こすこともあります。また、結石により排尿が阻害されると閉塞が起こります。特に雄では尿道が細くなる部分で閉塞が起こりやすいです。閉塞が起こると、尿毒症になったり、膀胱破裂することもあり、命に関わってきます。
リン酸アンモニウムマグネシウム結石は、食餌療法で結石を溶解させることができますが、そのほかの結石の場合は手術で除去しなければなりません。結石の再発を防ぐために、結石の種類によってそれぞれの療法食を与えていくことになります。