南が丘動物通信

脊髄、脊椎腫瘍 09年10月19日

人と同じように、動物達にも脊髄、脊椎腫瘍があります。脊椎とは、脊髄を守る、いわゆる背骨の部分です。脊椎腫瘍の主な症状はごく一部を除いて痛みです。またレントゲン写真では、脊椎の骨吸収像や骨増生像が認められます。骨肉腫や、軟骨肉腫、リンパ腫の転移等様々な腫瘍で起こります。
脊髄は、硬膜といった、脊髄の一番外側に硬い膜があるのですが、その、内にできるのか外なのかで、硬膜外、硬膜内腫瘍に分類され、更に、硬膜内腫瘍は髄外腫瘍、髄内腫瘍に分類されます。硬膜外腫瘍は、硬膜外では、脊椎腫瘍と同じ原因で起こる腫瘍があり、硬膜内腫瘍では、髄膜腫や、上衣腫等があります。症状や、疼痛、不全麻痺、進行速度は、腫瘍の部位や場所、種類によって様々です。非常に有効な、画像診断法はMRIになります。
脊髄腫瘍は、その種類によっては、積極的な治療法がある場合があります。
ふらついたり、どこか痛がる等ございましたら、一度ご来院いただければと思います。

会陰ヘルニア 09年10月12日

会陰ヘルニアは骨盤隔膜が何らかの原因で破綻し、直腸や膀胱などの腹腔及び骨盤腔内の臓器や組織が皮下に脱出した状態を指します。多くが去勢手術を行っていない雄犬に発生することから性ホルモンのバランスの変化や前立腺疾患との関連が示唆されていますが、詳しい発生機序については未だ議論中です。
症状は脱出する臓器によりことなり、直腸が変位した場合では、排便困難、便秘、しぶり、便失禁が見られ、膀胱の場合には排尿障害、尿失禁などが認められます。膀胱の脱出による排尿障害から来る腎後性尿毒症や腸の絞扼など緊急な対応が必要になってしまうこともあります。
治療には内科的治療と外科的治療がありますが、内科的治療は排便排尿困難を改善するのが目的で根治的ではなくまた長期的な管理は困難なことがほとんどです。そのため、治療法の第一選択は外科的治療となります。外科的治療では様々な手術法が開発され、ヘルニアのタイプや重症度により術式が決定され、場合によっては開腹による腹腔内臓器固定術が併用されます。それぞれの術式における治療成績は様々で再発率は報告によりばらつきがあります。症例の重症度にもよりますが少数の症例では再発が避けられないこともあります。
会陰ヘルニアは非常に厄介な疾患であり、病態が進行すると、重篤な状態を招く可能性があることからも、早期の治療が望まれます。排便排尿困難などの症状が認められたら早めに診察されることをお勧めします。また、予防として若い時期で去勢手術をすることも有効でしょう。

犬の乳腺腫瘍 09年10月05日


乳腺腫瘍は、雌犬の腫瘍の約半数を占めるよく見られる腫瘍です。
犬の乳腺腫瘍は半数が良性で、半数が悪性です。
犬の乳腺腫瘍は女性ホルモンとのかかわりが大きいと考えられており、初回の発情が来る前に避妊手術をした場合、発生率は0.05%、一回目の発情後ですと、6-8%、2回目以降は25%だといわれています。
乳腺腫瘍は、初期の段階で転移が認められない場合では、乳腺組織、その周辺の組織、リンパ組織などを切除すれば根治率が高いですが、転移してしまうと根治は難しくなります。
ですので、早期の避妊手術と、小さなしこりがないかどうか普段から愛犬によく触って気をつけてあげることが大切です。