スタッフによる診療コラム

8月29日 葉月会セミナー

09年08月31日

臨床皮膚病学マニュアルセミナー
東京農工大学 農学部 獣医内科学教室 教授
岩崎 利郎 先生

今回は第二回目のセミナーで、犬毛包虫症と疥癬の診断と治療、MDR1遺伝子の異常を含めてという、タイトルでした。スクレーピング検査は、それぞれ検査したい目的によって、どこまでスクレーピングするかが、異なります。動画での解説はとても印象深いものでした。 また、毛包虫症や、疥癬での症状や、治療を一つ一つ丁寧に教わることが出来ました。
またMDR1遺伝子とは、P糖蛋白をコードする遺伝子で、このP糖蛋白は、薬物を細胞外へ排泄する役割があります。この遺伝子が、変異している場合、薬物の毒性が、強く出てしまうことがあるとのことです。このMDR1遺伝子の異常を持っている個体の犬種別では、圧倒的にコリー系が多く、毛包虫や疥癬の治療にコリー系犬種がイベルペクチンが使えないのは、この遺伝子の変異に起因すると考えられています。この遺伝子を事前に調べることによって、コリー系犬種の毛包虫や疥癬の治療にイベルメクチンを使用できたケースを教わりました。

仔犬の前肢の骨折

09年08月29日

前肢の骨折は、トイプードルやヨーキー、ポメラニアンといった、小型で四肢の骨が、体幹と比較して細長い犬種に多く起こります。原因の多くは落下です。仔犬の時期は、活発で、抱っこの手から離れてしまったり、高い台から誤って飛び降りてしまった結果起こることが多いです。もっとも起こる場所は、橈尺骨(とうしゃっこつ。肘から下の長い骨です)の一番足側です。関節に近い場所での骨折は、固定が困難な部位の1つです。また若い時は、関節に近い場所に成長板といった大人にはない、骨が成長するために必要な軟骨があります。若い時の骨自体はやなぎのように、しなやかで、骨事態の完全な骨折は、少ないのですが、この成長板が、傷んでしまう'サルター ハリス’の骨折が、良く起こります。これは、他の犬種でも起こりえます。先ほど述べた橈尺骨は2本の骨で、構成されている特殊な骨なので、もし、どちらかの成長板が阻害されて、片方が伸びなくなり、無傷な方が、成長を続けた場合、骨の変形が起こります。その結果、跛行や痛みを伴うことがあります。この場合は外科的な矯正が必要になってくることがあります。
仔犬は、活発であるがゆえに、思いがけない行動に出ることがあります。足元にじゃれついて、誤って踏んでしまったり、ドアに挟んでしまったりすることがあります。
こういった事故には気をつけてください。

8月19日 葉月会セミナー

09年08月20日

「老犬と楽しく暮らそう」
講師:矢崎 潤 先生

今回は、主に寝たきりになってしまった老犬の介護について、ご自身の経験を元に
数多くの具体的かつ実践的なご指導を頂きました。
老犬の介護は、飼主様にとって非常に大きな問題であると認識し、
獣医師として「診療以外で何か協力できることは無いか」という視点を
持たなければならないと自覚させられました。

角膜潰瘍

09年08月17日

角膜潰瘍とは、角膜上皮の欠損、さらには深部実質の欠損です。
原因には外傷が原因となります。角膜潰瘍になりやすい素因として、睫毛の疾患、ドライアイ、まぶたがうまく閉じれないことなどがあげられます(短頭種に多い)。
ネコの場合にはヘルペスウイルスが関与することがあります。
角膜潰瘍では細菌感染が伴うことがあります。細菌感染が起こると細菌が角膜を溶かしたり、それに伴う炎症によってさらに角膜が溶けてしまい最終的に角膜に穿孔を起こしてしまうことがあります。
角膜の表層の潰瘍であれば、頻回の抗潰瘍薬の点眼で治ることがありますが、角膜の治癒が遅延し、穿孔したり、深部にまで及ぶ外傷であれば、外科手術の適用になります。
角膜潰瘍は素早い対応が必要となりますので、目を痛がったり、しょぼしょぼしていたらすぐ診てもらうことが重要です。

犬疥癬

09年08月16日

犬穿孔ヒゼンダニというダニの一種によって引き起こされる寄生性の犬の代表的な皮膚病の1つです。
全身の皮膚に寄生いたしますが、耳、肘、踵、四肢、腹部に寄生することが多く見られます。
ダニは皮膚に穴を掘りながら動き回ります。そのダニまた糞や分泌物に対する反応も痒みを引き起こす原因となり、犬の皮膚疾患としては最も痒い皮膚病だといわれております。診断は皮膚をかきとることにより卵やダニを検出することにより診断いたします。穿孔ヒゼンダニは人に感染することもあり飼主さんの腕の内側や腹部などに一過性の丘疹ができ痒みを引き起こすことがあります。
感染は一般的には犬からの伝播がおおいとおもわれますが、野生のタヌキからの感染もふえております。野生動物に対する調査で、タヌキが全身脱毛の疥癬症でたくさん動物病院に運び込まれていることがわかっております。
治療はレボリューション、イベルメクチンなどの塗布薬注射などの他、殺ダニ剤による薬浴が用いられることもあります。
皮膚に明らかな病変が出ないケースやかきとり検査の検出率の低さから、激しい痒みを伴う皮膚病において、試験的治療(駆虫)がおこなわれることもあります。

8月12日 葉月会セミナー

09年08月13日

葉月会セミナー
泉南動物病院 院長
横井 慎一 先生

今回は、様々な皮膚病に対する効果的なシャンプー療法についてのセミナーでした。皮膚病になる原因として、細菌感染、真菌感染、アトピーなど様々なものがあり、脂漏を示したり、乾燥を示したり様々な状態があります。皮膚病になりやすい動物は内服薬で一度治っても、すぐまた再発する子が多いので、シャンプーによる維持療法が重要になってきます。
現在ある多種のシャンプーの中から症例と共に最も効果的なシャンプーの選び方を教わりました。
また、正しいシャンプーの仕方もあわせて教わりました。
飼主さん自身がすることが多いシャンプーについてきちんと学ぶことができ、これからの診療に生かしていきたいです。

8月10日 葉月会セミナー

09年08月10日

神経学的検査を習得しよう
日本大学生物資源科学部獣医学科外科学研究室
枝村 一弥先生

今回のセミナーでは、神経学的検査の理論とその方法について詳しくお話していただけました。神経学的検査は神経病を疑うときには必須の検査なのですが、自分の中でその方法についてあいまいな所も多くあり、非常に実りのあるセミナーとなりました。

うさぎの眼窩膿瘍

09年08月03日

うさぎの眼窩膿瘍は、上顎後臼歯(奥歯)の歯根から始まる事が多く、眼球突出の最も多い原因です。この場合、病巣は骨にまで及んでいることも多く、膿胞を切開し、排膿しても、多くは再発を繰り返し、治癒率は非常に低い(10パーセント以下)ものです。
さらに、これを放置すると、うさぎは食欲を失い、全身状態の悪化へと進む可能性もあります。
予防は非常に難しく、蓄膿が始まっていても初期は外見からは分かりにくいものです。
常日頃から、良く観察をして頂き、異常に気付いた時点で可能な限り早く、来院される事をお勧め致します。
(参考文献:実践うさぎ学 斉藤久美子 インターズー)

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