南が丘動物通信

熱射病 09年05月23日

暑い季節になると発生しやすい病気として熱射病が挙げられます。閉めきった車内や直射日光下にに長時間置かれたり、高温多湿な環境下での運動などにより起こります。犬は汗腺の発達が未熟なため、人間のように汗をかいて体温を調節することが出来ず、主に呼吸により体温調節を行います。そのため、パグやフレンチ・ブルドッグなどの短頭種や気管虚脱などの呼吸器疾患も熱射病のリスクを増加させます。また肥満もリスクファクターとなります。
熱射病は非常に怖い病気で重症の場合は脳浮腫、ショックやDIC(播種性血管内凝固症候群)など合併症をともなうことがあり、命を落とす危険があります。
本格的に暑くなる前に、特に短頭種では体重の管理をしましょう。

犬のリハビリテーション 09年05月18日

リハビリテーションは、小動物において最近見直され、積極的に取り入れられていることが多い分野であります。リハビリというと、後肢の麻痺したワンちゃんを想像しますが、股関節形成不全、膝蓋骨内方脱臼、前十字靭帯断裂等、整形疾患でも大きな効果を発揮すると言われています。関節は、使用しないと硬くなってしまいます。また筋肉量も減り、それ自体がワンちゃんの負重し、歩くことへの大きな障害になってしまいます。特に大型のワンちゃんは、その筋肉や関節の障害で、更に歩けなくなることによって、介護をされる飼主様に大きな負担となってしまいます。またそれらを防ぐこと以外にも疼痛の緩和効果も大いに期待できます。
リハビリテーションは毎日の積み重ねです。いろいろなタイプのリハビリテーションの方法が提案されてきています。飼主様が毎日の生活のなかで、無理なく継続できるリハビリをご提示できれば、と思います。

犬の精巣腫瘍 09年05月15日

 精巣腫瘍は6歳以上の犬に多くみられ、腫瘍化する細胞によって、セルトリ細胞腫、精上皮腫、間細胞腫に分類されています。その中でもセルトリ細胞腫の発生頻度が最も高く、セルトリ細胞腫では過剰のエストロゲンが腫瘍細胞から分泌されるために、皮膚や被毛の代謝異常を起こして脱毛や皮膚炎を起こします。またエストロゲンにより骨髄の働きが抑制されます。精巣腫瘍の転移率は10%以下と低いので、通常は精巣摘出により完治が望めます。しかし、骨髄抑制が進み血小板減少や貧血をおこしてしまうと手遅れの状態になってしまいます。このような背景から、精巣腫瘍は早期診断・治療が非常に重要な疾患です。去勢手術をされていない雄犬を飼われている方は、睾丸の大きさに左右差がないか時々触ってあげてください。
 また停留精巣といって、精巣が正常に陰嚢内に下降していない雄犬では、陰嚢内に精巣がある雄犬と比較して10倍以上の確率で精巣腫瘍が発生します。精巣が一つしかない、あるいは去勢手術をしていないのに精巣が見当たらない雄犬は早めに去勢手術をすることをお勧めいたします。

犬の外耳炎 09年05月10日

犬の外耳炎は日常的に見られる病気の1つです。
ワクチン接種前の健康診断などで発見される事も多くあります。
全ての犬種に起こる可能性がある病気ですが、特に耳が長く、垂れている犬種に多く発生します。
耳の中に湿気が溜まりやすい夏場は特に、マラセチアと呼ばれる真菌(カビ)や細菌感染に注意が必要な時期となります。

犬の外耳炎は非常に様々な原因から起こり得ます。
マラセチアや細菌は、普段から少数は存在していますが、これらが動物の皮膚の状態や
周囲の環境により異常に増殖し、いよいよ悪影響を及ぼす様になります。
慢性的に繰り返す様であれば、皮膚のバリアー機能を低下させる原因となる病気(例えば甲状腺機能低下症など)が根本にあるのではないか、という点も考えなくてはなりません。

治療は耳の洗浄と点耳薬が中心で、早期に発見された場合は経過も良い事が大半です。
しかし、洗浄も一度すれば良いという訳ではなく、中途半端に治療を中断してしまうと、耐性菌(お薬が全く効かない細菌)の温床となり、最悪の場合は耳道を切除しなければならない状況へ進む場合もある、怖い可能性も持っています。

見られる症状としては、
「犬がよく頭をパタパタと振っている」「耳を掻いている」
といったものが多いと思われます。
こういった症状が見られた場合はなるべく早くご来院頂き、キチンとケアをしてあげれば、
決して恐ろしい病気では無いと思われますので、今後は是非、スキンシップの一貫として
時々ワンちゃんの耳の中も観察してあげて下さい。

めすウサギの子宮疾患 09年05月07日

めすウサギが10歳令まで生きた場合、100%子宮疾患を経験しているといわれています。また避妊手術をうけていないうさぎが10歳を迎えることができる確率はほとんどないともいわれています。うさぎでは、妊娠に関連しない子宮疾患は子宮内膜過形成、子宮腺癌、子宮水腫、子宮筋腫、子宮蓄膿症、子宮筋肉腫、線維腫、血管肉腫などさまざまです。出血、腹部増大、乳腺の異常、腹痛、頻尿、血尿のような症状にて来院されることが多いと思われます。治療は子宮卵巣全摘出術であり、他に効果的なものはあまり認められません。貧血で連れてこられる場合も多く、なかには腹部膨大のため呼吸不全にいたっている例もあり、状態が悪化する前に来院されることが大切になります。ウサギの手術にはリスクを伴うため避妊手術をためらう方も多いと思われますが、将来のことを考えると若い時期に手術を行っておくことをお勧めいたします。