南が丘動物通信

愛犬がハチに刺された時の対処法 19年08月10日

これからの時期、愛犬と一緒に出掛けてアウトドアを楽しんでいるときなど、愛犬と共にハチに遭遇する機会が増えてきます。また住んでいるところによっては自宅周辺に巣を作られてしまうケースも年々増加しています。最近では愛犬と一緒にキャンプに行ったり等、ハチによる被害の件数が増えてきています。

犬は好奇心が旺盛な動物なので、ハチに関わらず、飛んでいる虫を走って追いかけることが大好きです。しかし追いかけられた虫は自分の身を守ろうと追いかけた犬を指してしまうことがあります。

通常、犬が虫に刺されやすい体の場所は足だと言われています。それは犬が歩いているときに気づかずに虫を踏んでしまうことが多いからです。あとは興味のあまり顔を近づけすぎて顔を刺されるケースも多く、虫にかみつこうとしたり、口で捕まえようとしたり、舌や口の中、のどを刺されることもあります。口の中、喉、舌などを刺されると、腫れて気道をふさいで呼吸ができなくなることがあるので注意が必要です。

ミツバチやスズメバチの針には毒があり、痛みは刺された小さな傷からくるのではなく、刺された時に注入される毒から来ます。ミツバチは一度針を刺すとミツバチの体から針が外れ、刺した皮膚に針がとどまる作りになっています。スズメバチはそういったことがなく、何度も刺すことがあるので注意が必要です。

たくさん刺されてしまった場合、強い炎症を起こしてしまう場合があり、通常であればその毒による炎症が死に直結することはありませんが、つよくアレルギー反応が出た場合は要注意です。これをアナフィラキシーショックと言います。ハチの毒に関わらず、様々な物質によるアレルギー反応で知名度の高い言葉なので聞いたことがある人がほとんどだと思います。

ではどんな症状を引き起こすのでしょうか。

アナフィラキシーショックとは、アレルゲン(アレルギーの元)を摂取・接触・吸入などの形で体内に取り入れた際に、体が急激なアレルギー反応に対するショック症状を起こすことをいいます。本来、体を守るための免疫系が、アレルゲンに対して過剰に反応することで、全身の機能悪化を招いてしまうのです。

アレルギー反応には以下のような症状が含まれます

・全身の脱力

・呼吸困難

・刺された個所から広がった広範囲の腫れ

重篤な症状がみられた場合は、ただちに獣医師の診察を受けてください。

犬がハチに刺された時の対処法

まずは愛犬がハチに刺された場合、その場から静かに離れ安全な場所まで移動してください

①針を確認して抜く

ミツバチに刺された場合は、まずは愛犬の体に針が残っていないか確認しましょう。確認出来たら、皮膚からできるだけ近い位置の針をもち抜きましょう。毛抜きやピンセットがあればベターです。指でつまんで抜くことは毒嚢とよばれる毒の入った袋をつぶしてしまい、毒液が体内に入るおそれがあるため注意が必要です。

②患部を水で洗い流す

スズメバチの毒素は水溶性なので水に溶けだしやすいと言われています傷口を流水で洗い流して、毒液を絞り出します。この時に口で毒液を吸い出すことは止めてください。ハチの毒は水溶性なので、唾液と一緒に体内に取り込んでしまい、飼い主さんの体に危険がおよぶ可能性があります。

③患部を冷やす

タオルなどを濡らして、傷口を冷やしましょう。患部を冷やすことが、痛み・腫れの軽減につながります。

これらの対処を可能な限り愛犬に施したら、すぐに動物病院を受診してください。

最後に、ハチの種類にもよりますが、主に5~6月に大量に羽化して、9~10月頃になると繁殖期を迎えるそうです。繁殖期は特に縄張り意識が強くなるので、通常より攻撃的になります。これからの時期、山や公園などハチをよく見かける場所へ出かけるときは注意が必要です。

野山へ行く際や、アウトドアを楽しむ際には、犬用の服を着せることも効果的ですが、夏の時期は熱中症に注意が必要です。犬用の虫よけスプレーなどの使用も効果的です。

外出時には害虫対策を忘れずに、またアナフィラキシーショックに対する知識を身に付け、愛犬をハチの被害から守ってあげてくださいね

Y.N.