南が丘動物通信

膣脱・膣過形成 19年05月15日

膣壁全体が脱出したものを膣脱、膣壁の一部が突出したものを膣過形成といいます。これらは発情前期・発情期にみられ、エストロジェンにより膣壁が過形成をおこすためです。この疾病自体は痛みも伴わず、発情が終われば退縮しますが、犬の発情期間は長いのでその間膣粘膜は脱出しっぱなしになり、傷がついたり感染したりするリスクにさらされます。また重度の場合は排尿の妨げになることもあります。

膣脱・膣過形成が生じると交尾の妨げになるため自然交配ではなく人工授精が必要になります。犬種ではボクサーに多発し、また家系的に膣脱・膣過形成の多い系統もあるので遺伝的要因が関わっている可能性があると考えられています。

治療には外科的に切除や整復を行うこともできますが基本は避妊手術になります。これによって多くの場合は再発を防ぐことができます。K.Y