南が丘動物通信

8月9日葉月会セミナー 17年08月10日

犬と猫のワクチン -現状の整理と今後の方向性-

辻本 先生(東京大学動物医療センター)

感染症予防のための年に一度のワクチン接種。これは日本では常識とされているが、海外での現状は?ワクチンの選び方とは?様々な疑問に対して今回、葉月会セミナーでは辻本先生によるワクチンに関する詳細な講演会がありました。

現在、世界では犬と猫のワクチンはWSAVA(世界小動物獣医師会)で規定されているガイドラインに沿ってワクチン接種が基本とされています。WSAVA最大の目標は個々の動物へのワクチン回数を減らすこととされています。その一つの理由としてワクチン接種後に認められる有害事象の発生です。ワクチン成分中にあるアレルゲンにより下痢、嘔吐、痒みや蕁麻疹、アナフィラキシーショックや最悪の場合、死に至るケースも報告がありますがその発生率は1/57,300という報告があります。ワクチンの必要最低限の接種回数、ワクチン接種後は少なくとも30分は病院内で留めて状態の確認、より安全性の高い製品の開発が今後の大きな課題となってきます。

H.F