南が丘動物通信

1月27日 葉月会呼吸器病学セミナー 16年01月30日

咽喉頭の疾患

日本獣医生命科学大学  藤田 道郎先生

今回は、主に短頭種気道閉塞症候群と喉頭麻痺について講義して頂きました。これらの疾患は、基本的に直接目視による確認によって診断を行うため、実際の症例の画像を使っての講義は非常に分かりやすいものでした。特に短頭種気道閉塞症候群は、時間の経過と共に上部気道の病変が悪化していくため、早期の治療開始が肝要であることが再認識できました。今後の診療に活かしていきたいと思います。

1月22日 志学会月例会 16年01月24日

明日から使える行動学~明るい未来のために今すべきこと~

講師:村田 香織 先生    もみの木動物病院

今回は動物の行動学がテーマでした。ペットの正常な行動様式を学んでアニマルウェルフェア(動物の福祉)に配慮した立場で飼い主に適切な飼育方法を指導し、問題行動を起こした時には科学的な方法でこれを治療できるような基礎知識を身に付ける事も、我々動物医療に携わる者にとって必要不可欠です。

今回の講演では、犬の社会化(生物に対する馴化)の重要さと、犬が人に対して咬むなどの攻撃行動に出る理由とその行動を修正するのに有効な手段をいくつか紹介していただきました。

また、動物を病院嫌いにさせない、動物と病院との良い関係を築く事の大切さについては痛感させられることもありました。動物と病院が良い関係を築ければ病気の早期発見につながる、よりよい治療を行うことができるなどメリットがたくさんあります。

飼い主様と動物、動物と病院とがより良い関係を築けるように、今回学んだことを実践していきたいと思います。

M.M.

1月23,24日Improve International 小動物外科学GPCertプログラム  16年01月24日

消化器外科Ⅰ

消化器外科Ⅱ

Jolle Kirpensteijn, DVM, MS, Dipl ACVS & ECVS

 今回は消化器外科についての講義でした。

 日本ではあまり見かけませんが、食道の外傷で最も多いのは木の枝による穿刺外傷です。これは人が木の枝を放り投げ、犬がそれをくわえて取ってくるときに誤ってのどをつくことで発生しますが、かなり慎重な対応が求められます。急性症例では症状が重篤ですが適切に管理すれば予後は良好です。しかし慢性症例では瘻管と膿瘍を形成し、食後に頚部からフードが漏出してきます。この場合はレントゲンだけでなくCTMRI、また細菌培養と感受性試験、手術を行いますが通常は予後不良となります。

 インスリノーマでは膵臓の部分切除術を行うことが最も生存期間の延長を期待することができますが、実際的には術後に膵炎などが発症するためになかなか難しいものです。膵臓は血管分布、また膵管の分布の点からすべての部位が切除できるわけではなく、右葉の頭側部や膵体部を切除することはほぼ不可能といわれています。右葉の尾側部であれば比較的容易に切除できます。シーリングシステムを使うと術後膵炎のリスクを低減できるようです。

 消化器の手術は比較的遭遇する機会が多いので大変勉強になりました。

T.S.

1月19~21日 JAHA国際セミナー:実際の症例に基づく最新の内分泌学 16年01月23日

Dr. Robert Shiel(University College Dublin)

大阪で行われた上記セミナーに参加してきました。イヌの内分泌疾患として多い副腎皮質機能亢進症をはじめ、副腎皮質機能低下症、糖尿病、ネコで近年診断されることが多くなっている末端肥大症などの疾患の、エビデンスに基づいた診断方法や治療法について詳しく講義して頂きました。特にネコの末端肥大症は、病名の通り四肢の末端や顔面の形状が変わることで疑いを持てることもありますが、最近ではこういった特徴が明らかでなく、潜在的にこの疾患を持っているケースが多く報告されています。特にネコの糖尿病患者の25%が末端肥大症(高ソマトトロピン症)であったという報告もあるそうです。特に糖尿病患者で末端肥大症が併発している場合は、インスリン治療に大きく影響するため、非常に重要な情報であると感じました。今後の診療に活かしていきたいと思います。

2016年1月16日 点滴療法研究会 ベーシックセミナーⅠ 16年01月18日

講師:柳澤 厚生 先生  点滴療法研究会マスターズクラブ 会長

点滴療法研究会は人医療、歯科、獣医療を対象とした最新のエビデンスに基づいた点滴療法を実施するためのグループです。

今回は、抗がん剤が効かない癌、副作用が強く出てしまうような場合に対して、副作用のない癌治療として近年注目されてきた高濃度ビタミンC点滴療法について学んできました。人医療では、特にアメリカで、ここ10年間様々な癌に対して多くの研究がなされています。癌の転移巣が消えた、癌の進行を抑えた、生存期間が延長したなどの論文もでています。

獣医療でもその効果が認められてきており、新たに導入する病院が増えてきています。

今回のセミナーでは、知らなければ事故につながるような注意点や細かなプロトコールまで分かりやすく丁寧に教えていただきました。

当院でも、今後の新たな治療法の一つとして確立していければ良いなと感じました。

M.M.

1月16日 葉月会腫瘍学セミナー 廉澤 剛先生 16年01月16日

肛門嚢アポクリン腺癌の治療戦略 外科、放射線、薬剤をどう使う?

酪農学園大学 廉澤 剛先生

今回のセミナーは肛門周囲の腫瘍、特に肛門嚢アポクリン腺癌について講義していただきました。肛門周囲腺腫瘍との特徴の違いや外科的手術の方法を実際の写真等でわかりやすく解説していただきました。肛門嚢腺癌は遠隔転移しやすい腫瘍であり、高Ca血症を起こします。そこで放射線療法や抗がん剤、ビスホスホネート製剤等が使用されます。それぞれの使い方とその効果や副作用の現れ方などを実際に使用されてきたデータをもとに教えていただきました。特にトセラニブの有用性については非常に勉強になりました。K.Y